抄録
医薬品に用いられる添加剤は,「その製剤(医薬品)の投与量において薬理作用を示さず,無害でなければな らない」とされ,使用される対象患者の安全性を審査さ れたうえで医薬品成分とともに承認されるが,臨床現場では開発過程で投与されていない新生児・小児に用いられることがある.また,同じ添加剤の多剤併用による複数曝露もありうる.添加剤の新生児・小児(低出生体重児・早産児を含む)への安全性および曝露許容量の設定根拠も不十分である現状がある.また日本に限らず世界的に見ても添加剤含量に関する情報については開示されてい ないものもあり,添加剤曝露の影響を定量的に調査する ことが困難な状況である.添加剤曝露が潜在的な問題であるかも自明ではないのが現状であると考える.新生児・小児に安全な医療を提供するために,新生児・小児のための添加剤の安全性に関するデータベースの拡充と,安全性に関する情報のさらなる調査研究が必要である.注)本稿内において,基本的に「添加剤」を用いたが,「食 品添加物」や通知文書および書籍名中の「添加物」,固有名 称および団体名としての「添加物」については,「添加物」 と表記した.