2026 年 36 巻 Special_Issue 号 p. s79-s89
日本の水道水質管理において,PFASのうちPFOSおよびPFOAの2物質は,2020年に水質管理上留意すべき「水質管理目標設定項目」に位置付けられ,これらの合算値として 50 ng/Lの暫定目標値が設定された。これら2物質は2026年4月には検査義務が課される「水質基準項目」に格上げされることが決定しており,50 ng/Lの暫定目標値は基準値となる。PFHxSは2021年に毒性評価が定まらず水道水中での検出実態が明らかでないことから情報・知見を収集する「要検討項目」に位置付けられたが,その目標値はまだ設定されていない。また,2025年6月にはPFHxS以外に7種のPFASが要検討項目として新たに追加された。現在,水道水中PFASの標準検査方法(通知法)は,PFOS,PFOA,PFHxSの3物質を対象として,「水質管理目標設定項目の検査方法」(通知法)として環境省から示されているが,PFOSおよびPFOAの水道水質基準への格上げに伴い,検査方法は「水質基準に関する省令の規定に基づき環境大臣が定める方法」(告示法)として設定されることから,検査方法の見直しについて議論されている。本稿では,日本の水道水質管理におけるPFOS・PFOAを含むPFASの規制と検査方法の動向と課題について解説した。