環境化学
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人工ゼオライトによる焼却炉排ガス中ダイオキシン類除去に関する研究
山下 正純脇本 忠明中村 裕史濱田 典明本田 克久
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2000 年 10 巻 3 号 p. 533-539

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抄録
本研究では, 人工ゼオライトによる焼却炉排ガス中のダイオキシン類の除去率に及ぼす処理排ガス温度, 空間速度の影響について検討した。小型焼却炉を用いた実験では, ガス態PCDD/DFについて, ガス温度150℃, SV値約10000h-1において, 除去率 (TEQ換算値) 98.7%を示し, SV値が大きく, 温度が高くなるほど除去率は低く, 同族体別に見た場合, 低塩素側程除去率が低い傾向にあり, 物理吸着を示唆する傾向が見られた。ガス温度300℃では, ダイオキシンのde-novo合成によるものと思われるガス態PCDD/DFの増加が見られた。比較的簡易的な装置構成となるため, 小型焼却炉等におけるダイオキシン類の除去手法として有効であると考えられる。
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© 日本環境化学会
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