環境化学
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大気環境におけるダイオキシン類の季節変動
清家 伸康吉田 雅司松田 宗明河野 公栄脇本 忠明
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2001 年 11 巻 3 号 p. 455-465

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抄録
1996年9月から1997年8月にかけての一年間, 大気中PCDD/Fsを測定した。PCDD/FsとTEQ平均濃度は13.4Pg/m3と0.18P9-TEQ/m3であり, 一日摂取量は2.7pg-TEQ/dayと算出された。
月平均のPCDD/Fs濃度は夏季に低く, 秋季から春季にかけて高いという季節変動が見られた。この要因として, 弱風速による大気中での滞留時間の増加, 気温の変動に伴って大気中存在状態が変化し, 大気沈着量が変化すること考えられた。
また組成においても, 夏季に低塩素化物が増加するという季節変動が見られた, この要因として, PCDD/Fs異性体の大気中存在状態が気温の変動に伴って変化することが考えられた。特に夏季において, 低塩素化物はガス態の割合が増加することにより, 高塩素化物に比べ乾性沈着及び湿性沈着されにくいことが一因として考えられた。
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© 日本環境化学会
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