環境化学
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稲藁のダイオキシン類と農薬汚染の変遷及びそれが日本人のPCDD/Fs摂取量に与えた影響の推定
亀田 豊益永 茂樹浜田 弘中西 準子
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2003 年 13 巻 2 号 p. 369-383

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抄録

古畳から採取した稲藁中のDDTs, PCP, CNP, ダイオキシン類 (PCDD/Fs及びCo-PCB) を測定した。ダイオキシン類濃度は1970年のサンプルで最も高く, 6.1pgTEQ/gdwで2000年の約10倍であった。一方, PCDD/Fsのコンジェナー濃度を用いて主成分分析を行った結果, 主たる汚染源は燃焼由来の大気降下物, PCP, CNPと推定された。これに加え, コレスポンデンス分析により, 汚染源の時間的変化や部位別曝露経路を把握することができた。最後に今回のデータを利用して, 稲藁中のPCDD/Fs濃度を用いて食品を経由した稲藁由来のPCDD/Fs濃度を推測し, 近年の乳製品からのPCDD/Fs摂取量の減少への寄与を評価したが, この影響は大きくないことが示唆された。

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