2004 年 14 巻 4 号 p. 817-823
Stir bar sorptive extraction法を用いたTDS-GC-MS法による水中の微量有機スズ化合物の分析手法を開発した。本手法を用いることにより使用試料量を低減 (100ml) する事ができると同時に, 前処理の簡便化により前処理時間を大幅に短縮 (約3時間) する事ができた。又, 本法のブランク濃度 (BEC) は, TBTで0.19, TPTで0.14pgml-1であり, 海水中の微量有機スズ化合物を分析するのに十分な値である。本法を用いて, 実海水試料の分析を行った結果, TBTで1pg ml-1以下, TPTで0.1pg ml-1以下の濃度領域での分析を行うことができた。