環境化学
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地下水や土壌中の揮発性塩素化有機化合物の分解生成物
渡辺 正敏鎌田 敏幸山守 英朋伊藤 英一
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1997 年 7 巻 1 号 p. 53-59

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抄録
地下水中のPCE, TCE, TCAの分解物であるVCやCAに対する分析法をHS/GC/MSを用いて検討した。VOCとメタノールのピークを分離するために, GC/MSのカラム恒温槽の初期温度を-20℃から, またバックグランドノイズを減らすために測定質量範囲をM/Z: 35~200に設定することにより分析できた。cis-1, 2-DCEが多い地下水からVCやCAが検出された。浅井戸と深井戸を比較すると浅井戸の方がVCの検出率が高かった。PCEで汚染された土壌のコアサンプルを分析したところ, PCE, TCE, やcis-1, 2-DCEは砂層より粘土層やシルト層に多く含有され, PCEは上部の粘十層に下部のシルト層より多く含まれ, またcis-1, 2-DCEは二つの層にほぼ同量含まれていた。PCEとcis-1, 2-DCEは土壌中での挙動が異なり, また, PCEの分解は有機質が多く比較的浅い土壌中で進むと考えられた。
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© 日本環境化学会
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