日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌
Online ISSN : 2189-7085
Print ISSN : 1882-0123
症例
マンゴーゼリーによるアナフィラキシーの1例
坂井 博之野村 和加奈菅原 基史
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2017 年 11 巻 2 号 p. 144-148

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抄録

 マンゴーはウルシ科の植物でアレルギー性接触皮膚炎の原因果物としてよく知られているが, 蕁麻疹やアナフィラキシーをきたすことはまれである。今回, 市販のマンゴーゼリーを摂取後にアナフィラキシーを発症した1例を経験したので報告する。患者は43歳, 女性。初診の6~7年前に初めて誘因不明のアナフィラキシーを発症し, その後, 年に1~2回の頻度で繰り返していた。2014年7月, マンゴーゼリーを摂取し布団の片付けを行った。40分後に咳嗽と呼吸困難が出現し, さらに顔面, 頚部と手足に瘙痒感と紅斑が出現した。プリックテストは, マンゴーゼリー3+, 生のマンゴー3+, 生ゴボウ2+で陽性だった。マンゴー特異的IgEはクラス1だが, ヨモギがクラス4だった。原因アレルゲンコンポーネントは未確定だが, 耐熱性の成分と推測した。摂取後に肉体労働を行っており, 運動誘発性の可能性も考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
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