日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ.成人骨折・脱臼
高齢者上腕骨通顆骨折に対するONI Transcondylar Plateの臨床経験
野口 亮介
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 23 巻 2 号 p. 162-165

詳細
抄録

 高齢者上腕骨通顆骨折に対してONI plateを用いた症例の臨床成績について検討した.症例は2014年1月以降,6か月以上追跡調査可能であった4例4肘(男2,女2),受傷時年齢は75歳~84歳(平均80歳),術後経過観察期間は9~15か月(平均11か月).最終観察時の肘ROM・JOA-JES score・骨癒合・術中/術後合併症を検討した.術中CCS挿入後の末梢骨片不安定性が生じ,CCSを内側プレートに2例変更した.最終観察時の患側肘平均ROMは-11~126°,JOA-JES score平均90点であった.全例骨癒合は得られたが,CCS固定した症例では骨癒合の遷延を認めた.外側は顆間プレートにて強固な固定が得られるが,内側はCCS 1本では骨脆弱性のある高齢者では術中の固定力不足,術後骨癒合遷延の可能性がある.強固な初期固定には内側プレートの使用が望ましいと考える.

著者関連情報
© 2016 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top