2016 年 23 巻 2 号 p. 209-211
18歳男性.肘伸展位で手をつき受傷.X線撮影写真上,Mason type2の橈骨頭骨折を認め,橈骨は前方に脱臼し,上腕骨小頭に対向した位置に小骨片があった.尺骨には急性塑性変形を含め,骨傷を認めなかったが,遠位橈尺関節の掌側亜脱臼がみられた.Kaplan approachにて進入し橈骨頭を前方から圧迫するも整復されず,橈骨頭と尺骨の間にエレバトリウムを挿入し尺骨を支点にして橈骨頭を下から持ち上げると整復され,整復とともに遠位橈尺関節の不安定性は改善された.軽度自動運動障害の残存あるが,日常生活上の問題はない.本症例では,橈骨頭脱臼の整復にて遠位橈尺関節の不安定性が改善し,目立った機能障害も残さなかったことから,骨間膜の損傷を伴わず予後が良い回旋力優位型の前腕bipolar injuryの1つと考えられた.