日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
II.成人骨折・脱臼
ロッキングプレートを用いない高齢者上腕骨通顆骨折の治療成績
能見 修也坪 健司
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2017 年 24 巻 2 号 p. 116-118

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抄録

 高齢者上腕骨通顆骨折に対して当科ではこれまで外側にtension band wiring,内側にscrewを用いる術式を行ってきたのでその術後成績を調査した.65歳以上の上腕骨通顆骨折9例を対象とした.男性2例,女性7例,手術時平均年齢は81.4(71~91)歳,受傷から手術までの期間は平均7.0(4~12)日であった.調査項目は骨癒合の有無,肘関節可動域,合併症,術直後と最終観察時の上腕骨角,tilting angleの変化量とした.全例において骨癒合が得られた.肘関節可動域は伸展平均-16.1度,屈曲平均116.7度であった.合併症としてK-wireのゆるみを1例に認めた.上腕骨角変化量は平均1.1度,tilting angle変化量は平均0.75度であった.本術式はロッキングプレートを用いた固定に比し低侵襲・安価であり,高齢者上腕骨通顆骨折に対して考慮されてもよい術式と思われた.

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© 2017 日本肘関節学会
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