2017 年 24 巻 2 号 p. 141-144
小頭を含まない上腕骨滑車骨折は,国内外で報告が散見される程度の非常に稀な骨折である.上腕骨滑車骨折に対し観血的整復固定術を施行した症例を経験したので報告する.45歳,男性.スケートボードで後方に転倒した際に左手掌を地面について受傷した.左肘関節周囲の腫脹,疼痛が強く同日当院救急外来を受診した.単純X線像とCTにて尺骨鉤状突起骨折および上腕骨滑車骨折と診断した.第5病日に全身麻酔下に手術を施行した.手術は前方アプローチで進入し,滑車および鉤状突起骨片をヘッドレススクリュー(DTJスクリュー®,メイラ,愛知)を用いて固定した.術後1年での最終関節可動域は伸展-5°,屈曲120°,前腕回内90°,回外90°であった.本症例の受傷機転は,肘関節伸展位で手掌をつき,尺骨鉤状突起からの軸圧と内反ストレスが滑車の内側に衝撃を与え生じた,と考えた.治療は諸家の報告と同様に,観血的整復固定術を施行し良好な成績を得た.