2017 年 24 巻 2 号 p. 289-295
当院を受診した上腕骨外側上顆炎2587例2800肘で年齢構成,職種,スポーツ歴の有無,有病期間などを調査した.40代と50代で65%を占め重労働者よりデスクワーク従事者に多く見られた.手術症例は20例で全例に輪状靱帯,滑膜ひだ,関節包など硬化した複合体が存在し,この組織と短橈側手根伸筋腱付着部の変性断裂部には豊富な線維成分が観察された.同部位に炎症細胞浸潤は全く見られず変性と修復を繰り返して瘢痕化していた.本疾患は短橈側手根伸筋腱の損傷で生じるが重症化したものでは硬化した関節内複合体の関与が大きいと思われた.本来炎症所見に乏しく変性疾患である本疾患は名称に問題があり混乱を招きやすい.本疾患には単に短橈側手根伸筋腱の変性断裂が原因であるもの,これに加えて関節内の硬化した複合体が原因であるものなどが混在している.病態が次第に明らかになってきた本疾患は,今後理解しやすい分類を行う必要がある.