2017 年 24 巻 2 号 p. 327-330
尺骨神経皮下前方移動術を施行し術前後に詳細な検査を施行し得た23例を,64歳以下のY群13例と65歳以上のE群10例に分け,高齢者肘部管症候群の特徴と成績を検討した.
結果:Y群の平均罹病期間は25.5か月,赤堀病期はIII期:7肘,IV期:4肘,V期:2肘であり,6肘に変形症性変化(OA)を認めた.一方,E群では25.1か月,III期:2肘,IV期:5肘,V期:3肘であり,全例にOAを認めた.術前後で,MCV,SCV,握力健側比は両群ともに有意に改善した.SW test,m2PD,s2PDではE群に不良例が多かった.術後6か月での予後評価はY群で優:3肘,良:10肘,E群では優:2肘,良:3肘,可:5肘であった.
考察:高齢者では,若年者よりも術前病期は不良例の比率が高く,OAを認める比率が高かった.高齢者でも手術により各検査値は,若年同様に改善傾向を認めたが,予後不良例の比率が高かった.予後不良になりやすい高齢者のⅤ期例では一期的な機能再建術を考慮してもよいと考えられた.