日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
I.小児骨折・先天性疾患
尺骨矯正骨切り術に橈骨短縮骨切り術を併用した陳旧性Monteggia骨折の治療経験
木村 洋朗佐藤 和毅関 敦仁稲葉 尚人大木 聡岩本 卓士高山 真一郎
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2017 年 24 巻 2 号 p. 77-81

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抄録

 陳旧性Monteggia骨折の長期経過例に対する尺骨矯正骨切り術は,脱臼した橈骨頭の整復がしばしば困難である.このような症例に対し,橈骨短縮骨切り術を尺骨矯正骨切り術に併用した手術方法を行ったため報告する.症例は4例4肘,平均年齢12歳で全例男性,Bado分類type I,受傷から手術までの待機期間は平均7年であった.橈骨に対して前方進入で橈骨頭を確認して輪状靱帯を確保,橈骨頭が整復されるように橈骨骨幹部を骨切りしプレート固定,尺骨に対しては背側進入にて近位1/3高位で骨切りし,背側凸に矯正しプレート固定した.全例で橈骨頭は整復され,骨切り部の骨癒合を確認,経過観察期間(平均13か月)中の再脱臼は認めなかった.長年経過例に対しても,橈骨短縮骨切り術を併施することで橈骨頭の引き下げと整復を容易にし,短期ではあるがその維持と良好な可動域を確認した.症例数を増やし,長期的な経過観察が必要と考える.

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© 2017 日本肘関節学会
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