2017 年 24 巻 2 号 p. 73-76
上腕骨内側上顆の偽関節が関与すると思われる症状で当院を受診した9症例を対象とし,その臨床像を後ろ向きに調査した.初診時7~71歳(平均36歳),男性7例・女性2例,右肘7例・左肘2例で,症状は運動時の肘関節内側痛が5例,新たに外傷性肘関節脱臼を生じたものが2例,尺骨神経麻痺が3例だった(重複あり).治療としては,運動時痛の3例と外傷性脱臼の1例で偽関節手術を行い,尺骨神経麻痺に対しては尺骨神経皮下前方移行術,あるいは単純除圧を行った.上腕骨内側上顆骨折の大部分は小児に生じ,保存的に治療するとその多くが偽関節となる.偽関節となっても愁訴がほぼ残らないので保存療法を勧める論文もあるが,今回報告したように残存症状で悩む例も存在する.手術手技や麻酔は日進月歩であり,無症候性偽関節の形成を期待するのではなく,新鮮骨折のうちにしっかり治療すべきだとわれわれは考えている.