2018 年 25 巻 2 号 p. 11-14
当院における後外側進入による上腕骨外側顆骨折の手術成績を報告する.症例は術後6か月以上の経過観察を行った25例25肘で,固定法は鋼線固定法13例,鋼線締結法12例であった.肘関節可動域,単純X線像での骨癒合,肘外偏角(CA),Fish tail deformity(FTD)につき検討した.全例に骨癒合,良好な可動域が得られた.CAの健側差は,平均2.1度(-2~6)内反方向への有意な偏位を認めたが,問題となる症例はなかった.1例に軽度のFTDを認めたが,術後5年の時点で疼痛や機能障害はなかった.固定法による治療成績の有意な差はなかった.小児上腕骨外側顆骨折に対する後外側進入による手術治療は安全で良好な成績が得られる方法と考えているが,最終的な判断にはさらなる症例と長期の経過観察が必要である.