2018 年 25 巻 2 号 p. 43-45
前腕回内外可動域は肘関節90°屈曲位で測定するが,肘関節屈曲伸展により回内外可動域が異なる報告がある.われわれは,先天性橈尺骨癒合症分離授動術後患者45例60肘を対象に,回内外可動域が肘関節肢位によってどの程度変化するかを調査した.最終観察時の回内外可動域(遠位橈尺関節レベルでの計測)を,肘関節最大伸展位・90°屈曲位・最大伸展位で測定し,回内外可動域の変化を統計学的に検討した.
結果:回内外可動域(arc)は肘関節屈曲位83±17°,90°屈曲位89±18°,伸展位61±24°と,3肢位で有意差があった.回外は屈曲位(55±21°)より伸展位(18±18°)で有意に小さく,回内は屈曲位(28±19°)より伸展位(43±20°)で有意に大きかった.これらは,新鮮屍体や健常者を対象とした関連研究とほぼ同様で,肘関節屈伸による近位橈尺関節の適合変化や,軟部組織の緊張の変化が影響すると推測される.