2018 年 25 巻 2 号 p. 70-73
目的:肘関節脱臼骨折の手術加療において不安定性遺残によりヒンジ付きIlizarov創外固定器併用となった症例を報告した.
対象・方法:2007年~2017年において肘関節脱臼骨折37例中,靱帯・骨性再建したにも関わらず不安定性が遺残し創外固定器を併用した症例4例を対象とした.
結果:経過観察期間は平均15か月(5~18か月),装着期間は平均40.8日(31~52日),肘関節可動域は平均伸展-20°(-60°~0°),屈曲117.5°(70°~140°),JOA-JESスコア79.3点(59~90点),MEPS平均73.8点(45~85点)であった.1例精神疾患にて肘関節拘縮となった.
考察:complex elbow instabilityに対する手術において術中・術後に靱帯・骨性に再建したにも関わらず易脱臼を生じることを稀に経験する.この様な症例には創外固定器の併用が有用であった.