日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
プロ野球投手における肘内側側副靱帯のMRIと超音波所見の比較検討
鈴木 昌田鹿 佑太朗古屋 貫治田村 将希西中 直也
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2020 年 27 巻 2 号 p. 275-277

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抄録

【背景】野球選手における投球側の肘内側側副靭帯(UCL)の画像評価にはMRIや超音波(US)を用いるが,両者を施行した報告は少ない.今回MRIとUSを同時期に施行した選手の画像所見を比較検討した.【対象と方法】プロ野球投手18人の投球側肘MRIと両肘の超音波検査を施行し,UCLを近位・実質部・遠位に分け評価した.MRI像ではT2脂肪抑制・冠状断像で高輝度領域を,US像では非投球側と比較し輝度変化を認めた場合をそれぞれ陽性とした.各部位において陽性所見の有無をMRIとUSで比較した.【結果】近位・実質部・遠位の陽性所見はそれぞれ,MRIで18人・2人・11人,USで12人・ 15人・13人であった.近位ではMRIで,実質部ではUSで有意に陽性所見を認めた.【考察】各検査で評価がしやすい部位と困難な部位があることが示唆され,UCLの評価には両者を行うことが望ましいと考えられた.

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© 2020 日本肘関節学会
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