抄録
【症例】 69 歳,男性.11 年前にRAに伴う左肘関節症に対しTEA を施行された.軽微な動作で左肘関節の疼痛,腫脹が出現し前医で左上腕骨ステム周囲骨折と診断され手術目的に当科紹介となった.単純 X 線像,CTともに上腕骨ステム周囲で上腕骨骨幹部から骨幹端部にかけて粉砕骨折を認めた.手術は上腕骨ステムをロングステムに入れ替えた.術後 4 週間外固後,機能装具に変更し自動可動域訓練を開始した.術後6ヵ月で左肘関節の可動域制限は認めるが日常生活に支障はない.
【考察】TEA 後のインプラント周囲骨折は 再置換術とともにプレートやワイヤーによる骨接合術が必要で治療に難渋する.本症例では受傷後約 1 ヵ月で手術を行い軟部組織を利用して無理な骨接合を行わず上腕骨側ステムをロングステムに入れ替えることでインプラントの安定化を図った.
【まとめ】 TEA 後の上腕骨ステム周囲骨折の 1 例を経験した.