抄録
上腕骨小頭から滑車におよぶ冠状断方向の骨折を含む上腕骨遠位端骨折に対し観血的整復固定術を行った症例を調査し,手術における問題点を検討した.11例,平均年齢69歳を調査対象とした.冠状断方向の骨折型はDubberley分類を用いて分類するとIA:1例,IB:3例,IIIB:7例であった.11例中の6例に術後何らかの合併症を認めたが,合併症を認めなかった5例と比較して骨折型や手術の際のアプローチ方法に明らかな差はなかった.肘関節可動域は合併症のない症例群が優れていた.後方アプローチは小頭から上腕骨滑車に至る広い視野が確保できるが,小頭が複数個に分離している場合,より近位側に存在する骨片の直視下確認は困難である.外側アプローチは小頭全体を直視下に確認することが出来るが,後壁にも粉砕を合併する症例では整復操作に伴う手術侵襲から小頭や外側上顆の骨壊死を術後に生じる危険性があり注意を要する.