抄録
観血的整復固定術を施行した上腕骨遠位端coronal shear fractureの治療成績を検討したので報告する.対象は12例12肘(男性3例,女性9例),平均年齢58歳,平均観察期間19.2か月,骨折型はDubberley分類type 1A:2例,2A:2例,3A:1例,2B:3例,3B:4例で,2例に肘頭骨折を合併していた.手術はheadless bone screwを用いて小頭滑車骨片を固定し,後外側の骨折に対してはtension band wiringを追加した.肘頭骨折に対しては1例に保存加療,もう1例に内固定を施行した.全例で骨癒合が得られ,最終観察時肘関節可動域は伸展-5.7 ± 14.2° ,屈曲140 ± 10.2° ,Grantham評価でExcellent:6例,Good:5例,Fair:1例であった.考察,Dubberley分類type Aではheadless bone screwのみで対応可能であった.Dubberley分類type Bでは,術前CTにて肘頭窩外側の後壁損傷を伴わない場合は前方骨片をheadless bone screwで固定可能で,外側再建にはtension band wiringで対応可能と考えた.また,肘頭骨折を保存加療とした1例はGrantham評価でFairとなったため,合併骨折に対しても適切な処置が必要である.