日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
Shear-wave elastographyにおける浅指屈筋収縮時の肘尺側側副靱帯前斜走線維の組織弾性の検討
川鍋 慧人古島 弘三宇良田 大悟貝沼 雄太近藤 亮太佐久間 健太郎綿貫 大佑船越 忠直草野 寛高橋 啓堀内 行雄伊藤 惠康
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2021 年 28 巻 2 号 p. 108-110

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抄録
 投球中の肘動的外反制動機能としてFDSの機能が重要であり,解剖学的研究において,示・小指のFDSがAOLから起始することが報告されているが,その機能を生体で検討した報告は少ない.目的は,FDS収縮時のAOLの組織弾性を検討することである.対象は健常男性8名16肘.Shear-wave elastography にて,安静時,全指,中・環指,示・小指,示・中指,示指単独,小指単独のPIP屈曲時のAOL組織弾性値を測定した.安静時のAOLの組織弾性値は45.9 ± 17.5kPa,FDSを収縮させた際の組織弾性値は全指97.0 ± 40.3kPa,示・小指101.8 ± 35.4kPa,示・中指100.9 ± 39.0kPa,小指単独92.9 ± 40.0kPaで安静時と比較し有意に高値を示した.投球における肘動的外反制動機能は示・小指,示・中指,小指単独のFDS機能が重要である可能性が示唆された.
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© 2021 日本肘関節学会
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