抄録
【目的】高齢者の上腕骨遠位部骨折に対して症例を限定して人工肘関節置換術を行っているのでその有用性を検討した.【対象・方法】上腕骨遠位部骨折の症例に対し,人工肘関節全置換術あるいは上腕骨側半人工肘関節置換術を行った5例を対象とした.半人工肘関節置換術では上腕骨コンポーネント設置時に内・外側顆骨片をトリミングしてTension band wiringで固定した.【結果】術後平均観察期間は29カ月と短期ではあるが,平均可動域は伸展-8° ,屈曲131° ,MEPSは94点であった.【考察】高齢者の上腕骨遠位部骨折に対する人工肘関節置換術は術後の早期可動域訓練が可能で,良好な可動域が得られた.当初は半拘束型のシステムで全置換術を用いていたが,現在は橈骨・尺骨に骨折のない症例では,FINE人工肘関節の上腕骨コンポーネントのみを用いて上腕骨側半人工肘関節置換術を施行し,より侵襲の少ない方法で行っている.