2022 年 29 巻 2 号 p. 162-165
人工肘関節置換術後のインプラント周囲骨折は稀であり,患者の多くが関節リウマチであるため骨質の低下や免疫力の低下があること,上肢は下肢に比べて骨が薄く細いことから,治療に難渋する.自験例および過去の文献より,RA患者のTEA術後に起きる,上腕骨骨幹部のインプラント周囲骨折に対する治療成績を検討し,Mayo分類のTypeごとの治療方法について考察した.自験例6例と過去の文献12例から,セメントステムや,セメントレスステムでも転位がある症例は手術適応であり,ステムの弛みのないType II 1はプレート固定,ステムの弛みがあるType II 2,3はステム再置換にプレート固定またはstrut boneの骨移植を併用することが望ましいと考えられた.