日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
伸展転位型の小児上腕骨顆上骨折に対する仰臥位整復固定法とその成績
村岡 辰彦二村 謙太郎土田 芳彦
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2022 年 29 巻 2 号 p. 21-23

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抄録

 著者らは転位型の小児上腕骨顆上骨折に対し,遠位骨片の転位方向に注目した「仰臥位整復固定法(以下,本法)」を行っている.本法の手技は以下の3段階である.1.整復:肩関節外転90度,外旋90度することで上腕近位を固定し,遠位骨片の内旋変形を整復.肘屈曲,前腕回内で内反変形を整復(外反変形を整復する場合は前腕回外).2.微調整:経皮的に後方buttress pinを挿入し,伸展変形を整復.その後遺残変形を微調整.3.固定:同肢位のまま,内側小切開で内側上顆に鋼線刺入.肩関節中間位に戻し外側上顆より鋼線刺入し手術終了.本法を用いて治療したGartland type III 小児上腕骨顆上骨折30肢について調査をおこなったが,内旋変形なく,臨床・画像所見ともに良好な成績であった.

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© 2022 日本肘関節学会
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