抄録
【目的】上腕骨顆上骨折における手術体位が治療に及ぼす影響を検討したので報告する.【対象と方法】外側3本クロス法により手術加療を施行した115例を対象とし,仰臥位・腹臥位群に分け,さらに骨折形態別に麻酔・手術時間と合併症(術後神経血管障害,整復不良,再転位,回旋転位,内反肘)の有無について比較した.【結果】麻酔・手術時間に両群で有意差はなく,術後神経血管障害は両群とも生じなかった.術中整復不良例・術後再転位例・回旋転位例は仰臥位群で多い傾向にあったが有意差はなく,内反肘例はGartland3型の仰臥位群で有意に多かった.【考察】Gartland2型で両群の合併症発生率に差はなく,Gartland3型の仰臥位群で整復不良・再転位・回旋転位・内反肘例が多かった.要因として腹臥位では術中透視が見やすく,整復保持が容易な点が考えられた.腹臥位での外側3本刺入法は合併症発生率が低い有用な方法であった.