日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅶ. 炎症・感染
持続局所抗菌薬灌流(CLAP)にて治療した尺骨近位部慢性骨髄炎
野口 亮介手島 昌之
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 29 巻 2 号 p. 270-273

詳細
抄録
症例1: 66歳男性.肘頭滑液包炎,上腕三頭筋腱断裂術後に感染(起炎菌:緑膿菌).洗浄掻爬,抗生剤含有CPC留置施行後再燃し,術後26か月でCLAP施行.髄内にiMAPpin,筋層下にSalem Sump Tubeを留置し,高濃度GMを2週間灌流させた.術後18か月で感染再燃認めていない.症例2: 79歳男性.感染性肘頭滑液包炎,上腕三頭筋膿瘍(起炎菌:MSSA)に対し洗浄掻爬術後15か月で肘頭骨髄炎認め,症例1と同様にCLAP施行.術後8か月経過し感染再燃認めていない.従来の慢性骨髄炎治療では徹底的掻爬と持続洗浄が必要であった.掻爬後の死腔に対する再建や高流量の持続洗浄には煩雑さがあった.CLAPは陰圧吸引により肉芽形成が促進され,低流量で排液管理も簡便である.CLAPは主に急性感染に対して用いられるが,本症例では尺骨近位部慢性骨髄炎に対しても有用であり,治療の選択肢となり得る.
著者関連情報
© 2022 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top