抄録
呼吸窮迫症候群(RDS)治療後に新生児化膿性肘関節炎を発症した1例を経験したので報告する.【症例】日齢18日男児,早産低出生体重児(在胎36週3日,出生体重2,476g).RDSに対する加療後に右肘腫脹を認め,当院小児科を受診し当科に紹介となった.血液検査で炎症反応の上昇とMRIで肘関節内に多房性の嚢胞性病変を認めた.穿刺液の細菌培養検査でMSSAが検出され化膿性肘関節炎と診断した.抗菌薬投与後に炎症反応は改善したが,同32日のMRIで膿瘍の残存があり手術の方針とした.18G注射針を用いた関節内洗浄を行い,術後6週で抗菌薬投与を終了とした.術後2年4か月経過し感染の再燃はないが上腕骨遠位部に変形を認めた.【考察】小児化膿性関節炎に対する早期の診断と治療には小児科医と整形外科医の連携が重要である.注射針を用いた関節内洗浄により感染を鎮静し得たが,遺残変形があり長期的な経過観察を要する.