抄録
外傷の術後肘関節拘縮に対する観血授動術の成績を検討した.対象は2012~2021年までに術後肘関節拘縮に対し観血的授動術を行った20症例20肘関節.年齢は平均48(15~78)歳.性別は男8名,女12名.左12肘,右8肘.原因は骨折に対する観血整復術後19例(骨折部位別では上腕骨単独6,尺骨単独5,橈骨単独2,複合骨折6)および内反肘上腕骨矯正骨切り術後が1例.初回手術から授動術まで平均11(3.5~33)か月.術後経過観察期間は平均15(3~66)か月.平均手術回数は1.2(1~2)回.術後合併症は術後上腕骨骨折1,2回の手術を要したのが3.感染や神経障害の発生はなかった.平均屈伸arcが術前62度が最終調査時111度に改善(P < 0.01),平均回内外arcが114度が155度に改善した(P < 0.05).平均JOA-JES scoreは63点が84点に改善した(P < 0.01).