日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅹ. 治療法
術後肘関節拘縮に対する観血的肘関節授動術の成績
大野 義幸白井 之尋平川 明弘
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キーワード: 肘関節拘縮, 術後, 手術治療
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2022 年 29 巻 2 号 p. 290-295

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抄録
 外傷の術後肘関節拘縮に対する観血授動術の成績を検討した.対象は2012~2021年までに術後肘関節拘縮に対し観血的授動術を行った20症例20肘関節.年齢は平均48(15~78)歳.性別は男8名,女12名.左12肘,右8肘.原因は骨折に対する観血整復術後19例(骨折部位別では上腕骨単独6,尺骨単独5,橈骨単独2,複合骨折6)および内反肘上腕骨矯正骨切り術後が1例.初回手術から授動術まで平均11(3.5~33)か月.術後経過観察期間は平均15(3~66)か月.平均手術回数は1.2(1~2)回.術後合併症は術後上腕骨骨折1,2回の手術を要したのが3.感染や神経障害の発生はなかった.平均屈伸arcが術前62度が最終調査時111度に改善(P < 0.01),平均回内外arcが114度が155度に改善した(P < 0.05).平均JOA-JES scoreは63点が84点に改善した(P < 0.01).
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© 2022 日本肘関節学会
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