抄録
小児肘関節周囲の外傷の画像診断では,Xp後に必要に応じてCTやMRIが追加されるが,診断や治療方針が変更される症例も少なくない.本研究では,追加画像検査として,CTが診断の正答率や治療選択に及ぼす影響を調査し,その有用性について検討した.Xp+CTとXp単独で診断の正答率に有意差はなく,少なくとも診断の段階で積極的にCTを勧める結果にはならなかった.XpやCTで診断に迷う際には,関節造影やMRIを検討すべきである.Xpで診断が正しくても,CT追加で骨折部を詳細に観察すると治療方針,術式が変更される症例があり,CTは治療方針を検討するための判断材料や,手術時の戦略を立てるために有用な可能性がある.全ての検者でCTを追加して正答に至っていないにも関わらず,確信を持って診断している症例が存在した.小児肘関節周囲の外傷の画像診断は,複数人の目を通して,診断,治療方針を慎重に検討する必要がある.