抄録
小児上腕骨外側顆骨折の術後感染により小頭骨端核の骨溶解を生じ,2年間の経過観察をし得た1例を経験したので報告する.
症例:2歳9か月男児.右上腕骨外側顆骨折に対しtension band wiringによる手術を施行した.術後4週で感染を疑い術後6週で抜釘を施行したところ,インプラント周囲の骨溶解を認めデブリドマンを施行した.その2週後に再デブリドマンを施行し抗生剤治療で感染は鎮静化した.外側顆から小頭骨端核に骨欠損を生じたが,感染鎮静化後に骨欠損部および骨端核の再生を認め術後2年3か月現在愁訴なく経過良好である.
考察:小児上腕骨外側顆骨折の術後感染により外側顆から小頭骨端核の広範囲骨欠損を生じたが,感染鎮静化後に再生を認め成績も良好であった.2回の手術で早期に感染を鎮静化でき成長軟骨・栄養血管の損傷を最低限に抑えられたため,骨端核の再生が可能で術後の成績も良好であったと考える.