抄録
【目的】単純性肘関節脱臼に対する治療については未だにコンセンサスが得られていない.我々は積極的に靱帯修復術を行っており,今回その治療成績を報告する.
【方法】2016年より手術を行った21肘を対象とした.術直前に全身麻酔下で肘内外反ストレステストによる不安定性評価を行い,外側: 16例,内側: 20例,両側: 15例を手術適応とした.3週間固定の後に自動運動を開始した.
【結果】最終経過観察時のJOA -JES scoreは96.2点であった.平均肘関節可動域は屈曲138°,伸展-2°であった.全例肘関節不安定性は認めず,良好な治療成績が得られた.
【考察】単純性肘関節脱臼に対する保存療法と手術療法の治療成績には有意差がないとする報告がある一方,保存療法では拘縮や疼痛残存が多いとする報告もある.靭帯修復術の治療成績は良好であり,適応を判断した上での手術療法は非常に有用である.