日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
尺骨鉤状突起低形成を伴う後外側不安定性に対して腸骨移植による鉤状突起再建を行なった1例
武谷 博明鈴木 拓木村 洋朗佐藤 和毅岩本 卓士
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2022 年 29 巻 2 号 p. 85-89

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抄録
【目的】尺骨鉤状突起低形成による後外側不安定性に対して腸骨移植を用いた鉤状突起再建と外側側副靭帯縫合術を行った1例を報告する.
【症例】13歳,男児.1年前より左肘可動時に違和感が持続するが近医では診断がつかず,改善がないために当院紹介受診となった.肘関節伸展時に脱臼感を認めた.画像所見では,両側尺骨鉤状突起低形成とCTや伸展位での単純X線で左肘関節後方脱臼を認めた.尺骨鉤状突起低形成による後外側不安定性と診断し,腸骨を用いた鉤状突起再建と弛緩した外側側副靭帯を縫縮した. 術後18か月の観察時に再脱臼は認めず,骨癒合も得られ良好な経過であった.
【考察】鉤状突起低形成を認める症例において,腸骨移植による鉤状突起の再建ならびに外側側副靭帯縫合によって肘関節の安定性が獲得できた. また通常のX線撮影は肘関節屈曲位で施行するため, 本病態を疑った場合は, CTや伸展位のX線が有用であった.
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© 2022 日本肘関節学会
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