2023 年 30 巻 2 号 p. 194-197
2013年以降当院で経験した7例の上腕三頭筋腱停止部裂離骨折の治療方法や転帰について検討した.性別は男性4例,女性3例,受傷時平均年齢は42.3(11-64)歳,平均経過観察期間は9.1(5-15)か月だった.transosseous sutureを行ったものが4例,suture anchorを用いたものが4例,tension band wiringを行ったものが2例,Kirschner鋼線で固定を追加したものが1例あった(重複あり).Kirschner鋼線で骨片を固定しなかった3症例で骨片離開がみられ,うち2例で上腕三頭筋使用に伴う愁訴が残った.上腕三頭筋腱裂離骨折の手術方法としては様々な方法が報告されている.骨片の離開を防ぐためには術後外固定の方法より,骨片を解剖学的に整復したうえで,薄い骨片でも上腕三頭筋筋力に抗することができる固定力を得ることが重要と考えられた.