日本肘関節学会雑誌
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Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
野球選手の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する保存療法の治療成績:集束型衝撃波療法の有無による比較
岩堀 裕介伊藤 岳史川島 至
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2023 年 30 巻 2 号 p. 272-277

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抄録
 野球選手の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(小頭OCD)に対する保存療法の治療成績を後ろ向きに調査し,集束型衝撃波療法(FSW)の有無で比較した.対象は骨端線閉鎖前の小頭OCD早期例41例41肘,年齢は平均11.8歳で,FSW照射群(F群)16肘と非照射群(C群)25肘の2群に分けた.投球再開は単純X線像上の外側壁の十分な再構築を確認できたら許可した.FSWの出力は最大平均0.24 mJ/mm2,照射回数は平均8.4回,照射期間は5.9ヶ月であった.背景因子は全てにおいて2群間で有意差はなかった.最終的修復状態は,良好の比率がF群75%,C群56%とF群で高かったが有意差はなかった.手術率はF群25%,C群36%だったが有意差はなかった.手術例を除く投球再開時期,競技復帰時期はF群が有意に早かった.FSWは小頭OCDの治癒を促進して投球再開時期を早める可能性が示された.
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© 2023 日本肘関節学会
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