日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ. スポーツ障害
投球障害肘選手の投球動作特性
松井 知之瀬尾 和弥東 善一宮﨑 哲哉松澤 寛大森原 徹
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キーワード: 投球障害肘, 投球動作
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2023 年 30 巻 2 号 p. 306-309

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抄録
【はじめに】投球障害選手の投球フォームの特徴を示した報告は少ない.今回われわれは,投球障害肘選手と健常選手との違いを検討したので報告する.
【対象・方法】投球時に肘関節痛を有する高校生投手16例(障害選手)および健常選手15例とした.三次元動作解析装置を用いて全力投球を計測し,肩関節・下肢・体幹関節角度を対応のないt検定を用いて比較した.
【結果】障害選手では,投球開始時において軸脚股・膝関節屈曲,足関節背屈角度が高値であった.並進運動では,軸脚股関節の外転,投球側肩関節外転角度が有意低値,肘関節屈曲角度が有意に高値であった.肩関節最大外旋からボールリリースでは,胸郭の投球方向への回旋が有意に低値を示した.
【考察】障害選手では,肩関節外転が有意に低下し,その結果肘関節痛を生じていると考えた.また投球動作前半から異なった下肢・体幹角度を呈し,重要な評価ポイントと考えた.
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© 2023 日本肘関節学会
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