抄録
上腕骨外側上顆炎(LE)に対する関節鏡視下手術に発生した異所性骨化(HO)について報告する.症例は大工に従事する45歳の男性で,半年前から右肘の痛みが出現し,保存療法では軽快しなかった.身体所見では外側上顆に圧痛があり,誘発テストは陽性であった.MRIでは短橈側手根伸筋の起始部にT2強調像で高信号がみられ,PREEは52.3点であった.関節鏡視下手術(ASD)を施行し,術後10日目から可動域訓練を開始したが疼痛が継続した.術後6週で屈曲70度まで低下したため単純X線を撮影したところ,上腕骨遠位橈側にHOがみられた.ASD後8か月でHO切除手術を施行し,最終観察時に伸展0度,屈曲130度,PREEは0点となった.
肘関節手術においてHOを生ずることはしばしば報告されているが,軟部組織操作のみの関節鏡手術での発生はほとんど報告がない.しかし,術後合併症の一つとして念頭に置いておく必要がある.