抄録
79歳女性.以前より右肘痛と可動域制限があったが放置していた.最近になり右肘痛および可動域制限が増悪してきたため当院紹介となった.来院時,疼痛のため肘関節の可動性はほぼ失われており,肘関節穿刺で黄色・透明の関節液を確認した.関節液は尿酸塩・ピロリン酸カルシウムは陰性,細菌培養も陰性であった.単純X線像では上腕骨小頭が欠損し橈骨頭が欠損部に貫入するように前外側に脱臼していた.以上より上腕骨小頭外側壁の欠損を伴った外側型変形性肘関節症と診断し,人工橈骨頭置換術と同時に,摘出した橈骨頭を反転して上腕骨小頭の再建を行なった.術後12ヶ月で肘関節は屈曲120°,伸展-40°,回内80°,回外80°と改善し疼痛も再燃なく経過している.本法は短期ではあるが良好な成績を得ることができ,上腕骨小頭が欠損した外側型変形性肘関節症に対する治療方法の1つと考えられた.