2023 年 30 巻 2 号 p. 60-63
2009年から2019年の10年間に当院で治療した15歳以下のJeffery型骨折8例を対象とし,橈骨頚部骨折に対しては傾斜角度が15度以上であればintrafocal pinningを行い,15度未満であれば保存療法を行った.織田の分類Type1が5例,Type2が3例であった.治療方法は手術6例,保存療法2例であり,保存療法を行った2例はいずれも織田の分類Type2であった.最終経過観察時,全例で屈曲,伸展,回内,回外の可動域の損失を認めず,橈骨頚部の自家矯正角度は平均4.5度であった.織田の分類Type2で橈骨傾斜角度が15度未満かつ尺骨骨幹部近位端骨折の転位がない症例に保存療法を行い良好な成績が得られた.MCL損傷については保存療法で治癒が得られる可能性があるが,強い外反不安定性がある場合には修復をした方が良いと考える.