抄録
小児肘関節脱臼は比較的まれな外傷であり,なかでも分散脱臼は非常に稀な疾患である.
今回我々は小児肘関節分散脱臼の症例を経験し,非観血的整復では橈骨頭の亜脱臼が残存したため観血的整復を施行したので報告する.
症例は6歳の男児,下校中に階段から飛び降りて右手をついて受傷した.前医を受診し,橈骨頭脱臼の診断となり当院初診となった.単純X線像では橈骨頭の側方脱臼を認め,Bado分類type3のMonteggia骨折を疑ったが,CT像で肘関節横分散脱臼と診断した.同日全身麻酔下に非観血的整復を試みた.牽引により腕尺関節は整復されたが,橈骨頭の側方亜脱臼が残存したため,観血的手術を行った.外側を展開すると損傷した関節包と輪状靭帯が腕橈関節内にはまり込んでおり,引き出して修復することで,橈骨頭の亜脱臼は整復された.
非観血的整復後の橈骨頭の亜脱臼に対して観血的手術が有用であった.