抄録
【目的】肘関節粉砕骨折3例を通して,経肘頭的アプローチによる展開の問題点について考察した.
【症例】症例1,47歳男性.高所から転落して,左上腕骨遠位端粉砕骨折等を受傷した.経肘頭的整復固定した.術後,1年7か月で肘可動域制限は軽度で,日常生活での支障はない.症例2,40歳男性.7階より転落して,左肘脱臼骨折等を受傷した.肘頭骨折部を利用して整復固定した.術後,鉤状突起の再転位を生じ,再固定を行った.初回術後から1年8か月で,異所性骨化のため可動域制限を残した.症例3,75歳女性.歩行中転倒して,左上腕骨遠位端骨折を受傷した.経肘頭的展開では前方の骨片の評価が困難であったため,外側側副靭帯を切離して脱臼させて整復固定した.術後9か月で,肘関節に可動域制限が軽度残存した.
【考察】経肘頭的アプローチは軟部組織が保たれている場合,靭帯の切離など前方展開に工夫を要すると考えられた.