2025 年 32 巻 2 号 p. 259-263
症例は67歳男性で,約50年前に右上腕骨化膿性骨髄炎を発症し,切開排膿と抗菌薬の投与で軽快した.数か月前より右肘部の自発痛と腫脹が出現し,上腕遠位内側に皮膚瘻孔が生じたため当院を受診した.単純MRIでは上腕骨骨幹部に広範な髄内輝度変化を認め,肘頭窩上縁の骨瘻孔と皮膚瘻孔に連続性を認めた.右上腕骨慢性化膿性骨髄炎と診断し,外科的デブリードマンに持続局所抗菌薬灌流療法(continuous local antibiotics perfusion:CLAP)を併用した.術後2週間CLAPを施行し,その後抗菌薬の内服を継続した.術後1年で感染の再燃は認めず,肩関節・肘関節の可動域は良好であった.骨折関連感染症ではない上腕骨慢性骨髄炎に対しCLAPを併用し治療した報告は本例が初である.本術式は,上腕骨化膿性骨髄炎の治療において,確実な感染制御と機能温存を同時に達成し得る,有用な治療法である.