2025 年 32 巻 2 号 p. 171-174
症例は,12歳男性,右投げ右打ちの軟式野球投手で,試合の投球のball release付近で右肘外側に轢音と共に疼痛が出現した.2つの前医で骨折は見逃され,受傷後36日で著者を初診した.外側上顆後方の圧痛,PLRIテストでの疼痛誘発からOsborne-Cotterill lesion(OCL)を疑い,単純X線内旋斜位像にて外側上顆後外側部の剥離骨折を確認した.身体所見とMRI所見より骨片の不安定性が疑われ,受傷後3か月で手術を実施した.bridging repairを実施し,術後4か月で骨癒合を獲得して投球を再開し,術後6か月で投手に復帰した.本例ではdouble planeの投球動作を認め,ball release付近で過度な外反ストレスが加わりながら伸展することによりOCLを発症したと考えられた.見逃しを防ぐためには,外側上顆後方の圧痛と,単純X線内旋位斜位像が重要である.