2025 年 32 巻 2 号 p. 28-31
【はじめに】術後経過が不良であった小児橈骨頚部骨折の2例を報告する.【症例1】13歳,男児.跳び箱で着地に失敗して受傷した.受傷同日,1.5 mm K鋼線1本を用いて観血的骨接合術を施行したが,術後8週から骨折部の透亮像が拡大した.術後4か月で腸骨移植を併用した偽関節手術を施行し,偽関節手術後6か月で骨癒合が得られた.【症例2】11歳,男児.体育の授業中に転倒して受傷した.同日,1.5 mm K鋼線1本を用いて観血的骨接合術を施行したが,術後8週から骨折部の透亮像と橈骨頭の側方転位が確認された.術後4か月で腸骨移植を併用した偽関節手術を施行し,偽関節手術後8か月で骨癒合が得られた.【考察】骨折部の不安定性が偽関節発生のリスクとされており,本検討の2症例とも固定力が不十分であった可能性がある.観血的整復では,骨膜の温存に留意しつつ複数のK鋼線を用いて強固な固定性を獲得することが重要と考える.