日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅲ. 外傷・外傷合併症
小児上腕骨小頭articular shear fractureの1例
倉橋 俊和建部 将広鈴木 誠人
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 32 巻 2 号 p. 32-35

詳細
抄録

小児上腕骨小頭articular shear fractureは稀である.単純X線写真では実際の大きさや転位が過小評価され,治療に遅れを生じやすい.今回,受傷3か月が経過した陳旧例に対し骨釘による内固定を施行した1例を経験した.症例は10歳男児,サッカーの練習中に転倒受傷した.近医で尺骨鉤状突起骨折および上腕骨小頭剥離骨折と診断され保存治療となるも肘関節の伸展制限が残存し,近隣市民病院への紹介を経て受傷11週で当院を受診した.肘伸展可動域は−30度で,最大伸展時に骨性の制限を認めた.単純CT・MRI像で上腕骨小頭後外側に転位した骨軟骨片を認めたため,観血的に整復して肘頭より採取した骨釘3本で内固定した.術後2年の肘伸展可動域は0度,単純X線写真では腕橈関節面に関節症性変化を認めなかった.術式の選択に際しては骨軟骨片の性状や受傷からの期間を考慮し,症例に合わせて固定法を検討する必要がある.

著者関連情報
© 2025 日本肘関節学会
前の記事 次の記事
feedback
Top