2025 年 32 巻 2 号 p. 55-58
【目的】80歳以上の高齢者上腕骨通顆骨折の治療成績を検討し,適切な治療戦略を考察すること.【対象と方法】2015年4月から2024年12月までに受傷14日以内に当院を受診した80歳以上のAO type 13-A2.3上腕骨通顆骨折14例を対象とした.治療法,合併症,骨癒合の有無と期間,最終観察時の肘関節可動域を調査した.【結果】保存療法3例,手術療法11例(全例Double Locking Plate固定)であった.保存療法群(平均年齢91.3歳)では3例中2例で全身状態悪化を認めた.手術療法群(平均年齢85.9歳)では,全例骨癒合を得た(平均期間135.4日).最終観察時の平均可動域は伸展−17.5度,屈曲106度であり,認知症患者で有意に可動域制限を認めた.【結論】高齢者上腕骨通顆骨折では低侵襲で強固な固定による手術療法を第一選択とすべきである.