2025 年 32 巻 2 号 p. 59-62
70歳以上の新鮮上腕骨通顆骨折に対するdouble locking plate固定術(DLP)の15例と人工肘関節置換術(TEA)の11例の治療成績を比較検討した.手術は,O群は全例Depuy-Synthes社のVA-LCPDHPを,T群は全例Zimmer社のNexel elbowを使用した.患者背景でT群は平均年齢が高く,受傷から手術まで期間が長かった.画像上,DLP群は全例骨癒合し,TEA群では人工関節の弛みは認めていない.最終診察時の屈曲と伸展の可動域,Mayo Elbow Performance Scoreで有意差はなかった.高齢者の上腕骨通顆骨折は,既往症により待機期間が長くなる傾向があり,また受傷早期から骨折部の摩耗による骨欠損も生じやすいことから,骨接合も容易ではない.一方でTEAも活動制限のデメリットがある.両手術手技に関しては細心の注意が必要である.