2025 年 32 巻 2 号 p. 83-85
肘頭骨折に対する手術方法としてKirshner鋼線によるTension Band Wiring法が一般的だが,鋼線のback outによる転位,再手術などの合併症が報告されている.リングピンはリングに軟鋼線を通すことでピンがback outせず有用だが,こちらも術後骨折部の転位が報告されている.リングピンを用いて手術を施行した13例に対し,術後転位の有無や治療成績について調査した.術後転位は5例(38.5%)に認め,転位例はリングの浮きが有意に大きく,すべて長さ70 mmのピンが使用されていた.全例で骨癒合が得られ,感染や偽関節などの合併症もなかった.リングの浮きやピンの短さが転位の要因となっている可能性があり,ピンの打ち込みを念入りに行い,長いピンを選択することや,ハイリスク症例には軟鋼線をもう1本追加するといった工夫により,転位の予防が重要であると考えられた.